現場視察からの帰り道、芭蕉が辿った旅の困難さが窺える場所「封人の家(ほうじんのいえ)」に立寄ってきました。関守に怪しまれてなかなか通してくれない義経伝説に由来する「尿前の関(しとまえのせき)」関所をようやく通過した芭蕉は国境の番人の家に泊めてもらいましたが、その日から三日間暴風雨でこの山中に逗留することになりました。

「蚤虱(のみしらみ)馬の尿(ばり)する枕もと」馬屋が住居にあった番人の家で読んだ句です。ノミやシラミで眠れない枕元近く、馬が尿をする大きい音が響いてくる…江戸の大詩人の文芸的誇張だそうです。
