新潟市で工事が始まりました。ご紹介するのは越後蒲原の豪農、田原巻家の離れ座敷「椿寿荘」です。田原巻家は約3,907,000坪を有する大地主で、椿寿荘は約880坪の敷地に建坪約140坪。明治30年に構想、資材調達が開始され大正3年から3年半の歳月をかけて完成した、重厚な姿を醸し出す建物です。

資材の木材は贅を凝らし、特に畳敷きの二段廊下は豪快で、11間余りある露縁の庇を支える丸桁は吉野杉の一本物、無節・本末なし天然絞りの銘木で、海路により大阪から新潟へそして信濃川を上り運ばれました。